トップ > 管理栄養士・清武泰子の海苔料理講座
海苔巻きいろいろ
<< 泰子のひとことトップに戻る
2012.09.26発


「子供にこそ本物の味を」

本当に月日の流れるのは早いです。私の悪い癖、“ぐうたら”が出てしまい、気付けば「ひとこと」も半年お休みしちゃいました・・・。ごめんなさい。
その間、良い事、悪い事、色々ありました。中でも7月に起きた九州北部豪雨は、大変な出来事でした。被害は甚大で、災害の恐ろしさを目の当たりにしました。私は筑後川沿いに生まれ育ち、さほど離れていない所へ嫁ぎましたが、こんな荒れ狂う筑後川を見たのは初めてでした。梅雨時にごうごうと流れる事はあっても、いつもは穏やかで悠々としている姿しか印象にないから、こんな被害に繋がるなんて思ってもいませんでした。
大切な命も失われました。家や田畑も・・・。そして、海苔にとっても漁場や船、機械にも深刻な被害が及び、「今年の海苔作りはどうなるのだろう」とテレビ報道を見て心配になりました。冬はいつも新海苔を持って絵巻すし教室に出向いていますが、今年は一体どうなるのでしょう。
この「ひとこと」でも自然の恐ろしさについては、折に触れ語ってきましたが、ここ数年どんどん自然災害がひどくなっている気がしてなりません。「地球レベルで何か起きつつあるのだろうか?」と思わされるほど、“想定外”の大災害が毎年起きています。科学技術が進んでも、自然の脅威の前に人は無力です・・・。被災された方々が、元の生活に戻るには気力と同時に、気が遠くなるほどの時間や費用も必要だと思いますが、どうか前を向いて立ち上がって欲しい・・・。そう願うばかりです。

さて、美味しい、美味しい海苔のお話です。2年前、“福岡のり”のモニターをさせて頂いた時、手元にたくさんの極上海苔が届きました。その当時、東京生まれ、東京育ちの男性に嫁いだ夫の姪一家が東京から福岡へ転勤となったことで、我が家の“田舎暮らし”を楽しみに、時々遊びに来ていました。たけのこを掘って、“くど”で茹でたり、人参や大根を畑で収穫する−なんて事が「そんなに面白いの?」と思うのですが、日頃やらない事だからか子供はもちろん、東京生まれのパパも面白いらしいのです。帰り際、2人の幼い子供達が「海苔が好き」と言うので、手元にあった“福岡のり”を土産に持たせた事がありました。その後、姪一家はまたすぐに東京へ転勤となり、姪の母である義理の姉からは「あの時貰った海苔が美味しくて喜んでいた」と間接的に聞いていました。
今夏、義母の十三回忌法要が営まれた際、遠路千葉から義姉も久しぶりに福岡へ帰ってきました。姪からもお供え物を頂き、お返しに美味しい八女茶を用意していましたが、ナント!! 姉曰く、姪が「あの時頂いた海苔がどうしても欲しい」と言い、子供達が「おばちゃんのくれたあの海苔が食べたい。また貰って!!」とせがむのだとか。子供達はスーパーで買ったものを一旦口に入れても「違う、これじゃない。ダメ!」と言うそうで、義姉は「姪に『他には何も入らないから海苔をお願い。あの時の、あの海苔を』とくれぐれも頼まれてきた」と言うのです。残念ながら手元にはなかったので早速手配して送りました。後日それを食べた子供達は、納得の味にとても喜んだそうで、私としては鼻高々!!
幼い子供達に違いが分かるのだろうかと思われるかもしれませんが、実は子供達の舌はスゴイ!のです。美味しいものがすぐに分かるのです。大人より舌はずっと鋭敏で、一度食べると忘れないことを何度も経験しました。この事から考えても「食育」は大切だなぁとつくづく思う訳です。
子供だから分からないではなく、子供の時にこそ本物の美味しい味を舌に覚えさせて欲しいと思います。食品の持つ本当に良い味を繰り返し繰り返し食卓にのせ、家族が共に美味しい美味しいと食べながら食品や料理の事を話題にする−一つ一つの家庭からそういう芽が育って欲しいと、今回福岡のりを求めた子供達の件からもそう思うのです。

豪雨災害により海苔作りには厳しい年の始まりになりますが、今漁期も新海苔を持って絵巻すし教室に行き、楽しい絵巻すしと美味しい海苔に満面の笑みを浮かべる子供達とまた触れ合いたいと願っています。
 
2012.02.28発
 新しい1年が始まりました。昨年は東日本大震災が起き、悲しく苦しい年でした。家族を津波で亡くされたり、家や仕事も失くされて、つらいお正月を迎えた方もたくさんいらっしゃる事でしょう。日本にはご当地自慢のお雑煮がたくさんありますが、被災された方々は自慢の美味しいお雑煮を召し上がることが出来たでしょうか?今年は悲しみ苦しみが少しでも和らぎますようお祈り申し上げます。
さて、昨年は新海苔生産が思うようにいかず、収穫が危ぶまれるというニュースがテレビで流れ、年明けから始まる「親子絵巻すし教室」に新海苔を使うことが出来るのか心配しましたが、その後は美味しい海苔がたくさん採れているとのこと。一安心しました。やはり、自然や天候あっての海苔作り。思い通りにはいかないものですね・・・。

食育関係で絵巻すしを行う機会の多い私ですが、西日本新聞に「食卓は語る、現代家族の実像」というシリーズが連載されました。筆者である岩村暢子さんは、長く首都圏にあるごく一般的な家庭の食卓を調査し発表している方です。その紙面を毎週読むたび、私が子育てをしていた、つい10数年前では考えられない内容に愕然としました。「食育」という言葉も平成17年に食育基本法が制定、施行されてからよく耳にするようになり、様々な取り組みが子供達を中心に日本中で行われてきたはずなのに、一体この実態はどうした事だろう?日本の「食」はどうなってしまうのだろうか?と驚きを隠せませんでした。
例えば、朝食はスポーツドリンクやカップ麺のみ、お菓子をつまんで終わりなどのコメントもありました。首都圏の調査なので私の住む九州は違うのでは?とも思いましたが、編集委員のコメントでは、「日本中どこのコンビニに行っても流通している物はほとんど変わらず、嗜好もほぼどこも同じ。東京で起きていることは日本中どこでも起きているという現実を見つめよう」と結んでありました。

連載が進むたび、「ここまでいってしまったら、ごく普通のバランスの取れた食事、昔ながらの日本型食生活に戻ることは容易ではない。いやもう無理かも・・・」と思ってしまうほどの内容でした。中でも「菓子食」や「食事化するお菓子」には大きなショックを受けました。お菓子好き世代が親になり、お腹が空いたらお菓子をつまんで食事代わりにしたり、好き嫌いをする子供に親が「食事はあれを食べなきゃダメみたいなことを言いたくない」と朝からプリンやガムを食べさせても、自由な意思を尊重していると思うのか反省や後ろめたさはあまりない−というのです。また、2〜3才の幼児であっても1人前の「意思」を尊重し、食事を食べるかどうか問い、「食べたい」と言わなければ与えなかったり、食べたいものが「お菓子」であるとそれをそのまま与えてしまうケースが増えてきている−とも書かれていました。筆者である岩村さんは、子供の欠食や食事の粗末化は「悪意なきネグレクト(育児放棄)では?」と問題提起しています。
この親達は、子供の健康が損なわれるようなことでもなけれな食事を省みることはないのでしょうか・・・。
悪いことをそうとも気づかない、自分とはかけ離れた特別な家庭のことだと思いがちですが、この連載を読んでみて、家族内におけるライフスタイルの変化等のちょっとしたきっかけ、例えば、子供が習い事で遅く帰るようになった、主婦が働き始めた等によりどの家庭でも容易に起こり得る現象だと思いました。

この連載から学ぶことはたくさんあります。私も含め、若い親に対しその親達が正しいことをきちんと言い伝えてきたか、言い続けているかと、省みなければなりません。
もっともっと食を大切にして欲しい。「食は命」じゃないですか。大人になっても“おふくろ”や“おばあちゃん”、そして“地域”の味を忘れず、大切に残し伝えていって欲しい。そう願いながら私は毎回、「親子絵巻すし教室」を行っています。

 
201112.05発


3月11日に起きた東日本大震災で皆様同様、大変なショックを受けた私ですが、あれから8ヶ月・・・。被災者の方々はまだまだ苦しみの中にありながらも、復興に向けた取り組みの伝えられる事が多くなってきました。遠い九州の地にいてニュース等で一部しか知る由もありませんが、まだ復興への道のりは長く厳しいものだろうとお察し致します。
そんな状況の中、政府の右往左往振りには本当に落胆しました。全てが“想定外”の出来事なのでしょうが、「もっと早くどうにかならないのだろうか。一体何をやっているんだ!」と言いたくもなります。日本は今後、どうなっていくのでしょうか?私達大人は、次の世代に良い社会を残せるのでしょうか・・・。

さて、新海苔の季節です。新海苔を使って絵巻すしを作るイベントもまもなく始まります。美味しい海苔を使って少しでも普及につながるよう頑張っていきます。被災地にある海苔産地が少しでも早く復興する事を願って・・・。

 
2011.05.18発


本当に久しぶりとなりました。言い訳をするつもりではありませんが、絵巻すしの仕事はその間、色々な所で色々な方を対象にやっておりまして、その中で良き出会いもありました。この「ひとこと」にご紹介できる「イイ話」もありました。しかし、3月11日に起きた東日本大震災は私にとってもショックで「イイ話」は吹っ飛んでしまいました。
震災以来、テレビや新聞の報道に涙の出ない日はありません。同じ日本でこんな災害が起きているというのに、遠く離れた福岡では停電したり、水が出なくなったりというような事もなく、何も変わらない日常があって、現実感がないというか、信じられないような、申し訳ないような・・・・・。様々な感情が湧きました。その後続く原発問題。日本の科学技術は世界でもトップクラスと信じていた私は、「なす術はない」時が人間にあるのかと無力さを思い知りました。人間の非力さを感じましたし、私達の生活は砂の上に建っているようなものかとも思いました。
一瞬の大津波が家族を奪い、住んでいた家や田畑もなくす・・・・・。いつもと変わらぬ朝を過ごし、学校へ職場へと出かけて行ったのに、その日のうちに親が子を亡くし、子が親を亡くし、夫や妻を亡くし・・・・・。こんな起きてはならない事が起きてしまう事もあるのだとつくづく思いました。
震災から2ヶ月が過ぎ、TV等では復興に向け明るい話題も聞かれるようになりましたが、まだまだ希望を見出せず、苦しい中におられる方々がどれほど沢山いらっしゃる事でしょう。復興への道は遅く、厳しいものとなるでしょう。この福岡で私達はできる事を考え、実践しながら亡くなった方々のご冥福を祈ります。そして、被害に遭われた方々、ご家族を亡くされた方々、今はまだ、前を向いて歩けなくても無理をせず、どうか生きていて下さい。

海苔を基本に食生活や栄養のことを考えていく「ひとこと」ではありますが、震災で宮城の海苔漁場も大変な状況にあります。復興への道がいかに厳しいか私の想像以上でありましょうが、きっと立ち直って下さることを願い、信じて今回はペンを置きます。
 
2011.04.01発

 前回から、あーっという間に夏を通り過ぎ、冬になってしまいました・・・。
あんなに暑い暑い異常気象の夏だったのに、毎年夏バテがお約束の私が結構元気でした。3ヶ月に及ぶ改築の疲れと夏バテが相まって、ひどい体調になるだろうと周りも本人も覚悟していたのですが、終わってみれば「あれっ?」という感じでした。「一体何故?」と色々考えてみました。「一体何が良かったのか?」と。

前回の“ひとこと”の終わりにもちょっと触れましたが、仮設台所で料理も満足に出来ない状態の中、「福岡のり」のモニターになり、たくさんの美味しい海苔が試食用に送られてきました。「有難や・・・。」私は「福岡のり」を毎日毎日たくさん食べたのであります。
甘味のあるこんなに美味しい口溶けの良い海苔は中々近くでは手に入らないし、何せその美味しさのお陰で朝になると「さあ、海苔でご飯を食べようか」となるのです。

モニターになった以上、色々な食べ方にチャレンジしなくてはならなかったのでしょうが、私はとにかくご飯にのっけて食べる、お腹が空いたらそのままおやつとして食べる、封を切ったら湿気で縮まないよう全部食べる―と何の工夫もせず食べました。
1日に全形2枚を食べればビタミンAやB1、B2、は充足すると言われていますが、私は1食で全形2枚は食べていた気がするから、やっぱり私がこの夏元気だったのは、“海苔”のお陰だったのでは?!
農耕民族の夫の作る野菜をかなり食べても便秘がちでしたが、海苔をたくさん食べていると、ずーっと便秘知らずでしたしね・・・。今さらながら海苔の成分を確認すると、たんぱく質、カルシウム、ビタミン、ミネラル、食物繊維・・・・。海の恵みがギュっ詰まっている食品だと再認識します。自分の体でこんなにその凄さ感じる事が出来るなんてね!海苔、凄いぞ!!

現代の食事は多様化して、好きな物を自由に食べる事の出来る時代だから、朝ご飯はご飯、みそ汁、欠かさず海苔―なんて和食一筋の形が崩れてきています。ご飯にみそ汁の朝食を守り続けている私でも、納豆、焼魚、卵、おひたし等、他におかずがあると、こんなに海苔をたくさん食べる機会は無かったように思います。不便な仮設台所でご飯、みそ汁が精一杯の食卓に海苔は助っ人的存在、故に大量に食べた結果、元気だった・・・としか考えられません。やっぱり海苔は凄い!!皆さんも海苔をたくさん召し上がって、その凄さを実感して頂きたいです。

 さて、11/3〜11/7は、佐賀バルーンフェスタ会場において、こちらは“佐賀海苔”普及のために手巻き寿司、絵巻寿司等の教室を連日行いました。たくさんの方々とふれあい、直接、海苔の感想を伺う良い機会でした。どなたも焼海苔を口に入れた瞬間「甘い!!美味しい!」と声を上げていました。中でもまだベビーカーに乗っているような幼い子供達が「もっと!もっと!」とおかわりを欲しがる姿は嬉しかったなぁ。会場では味見をして美味しかったから50枚、100枚と買っていかれる方や新海苔を今かと待ちわびている方もおり、本当に嬉しく思いました。こうして海苔が、日本の食文化が子や孫へと伝承されていって欲しいものです。皆さん、1枚でも多くの海苔を食べて下さいね。私みたいに驚きの変化があるかも〜!

 
2010.07.06発

 あ〜あ。
今後は遅れないように定期的に"ひとこと"を発信しよう、なんて前回心に決めていながら、また長〜いご無沙汰となりました。
父の死、夫の病気、子供の巣立ち−と私の人生の中でも忘れられない出来事が、この一年にぎゅっと凝縮しているのですが、さらに、もうひとつ大きな出来事が加わる事になりました。
築100年の我が家の改築です。
トイレに行くにも座敷を通らないと行けないし、台所はそこから一番遠い真反対、という不便な家に嫁いでこのかた30年、ものともせず過ごして参りましたが、我が家の前にも上下水道が整備され、ついに水回り固めのために大改修となりました。
家の中の造作が大きく変わるのに伴い、小さく便利を目指して減築する事にもしましたので、持ち物も処分を迫られました。 衣類、食器、本が主な対象となり、「捨てる!、捨てない?」、「捨てる?、捨てない!」と、葛藤の日々が続きました・・・。いや、過去形にするのはまだ早い。荷物を業者さんにトラック2台分預かってもらっている現状では、改築が終わって、荷物が帰ってきたら家からはみ出るかも・・・。 栄養、料理関係の本、資料も思いっきり処分しました。3分の2は処分しちゃったかなぁ。 よく使った本、買った事さえ忘れていた本、ちゃんと読めば頭が今みたいに'カラカラ'じゃなくもっと重みがあったろうに、と思える本・・・等々。
えいっ!と、捨てる側に入れ、翌日捨てない側に戻り。2〜3日してまた捨てる側に・・・と、うろうろしている物もあります。物をためこまず、コンパクトに暮らす必要がなかったとは言え、物の多さに、と言うより己の整理力のなさには呆れてしまいました。
物を捨てる作業も悩ましい事でしたが、いざ工事が始まると水回りをすべて取り上げられた事は、さらに悩ましい事でした。 家に住みながらの改築のため、トイレ、台所、風呂、みな仮設。快適な物は何ひとつなし、プライバシーもなし、毎日がキャンプ状態。ぶちぶち小言ばかり言う男組に、この不自由生活も楽しまなくちゃ、2度と経験できないからね〜、な〜んて言ってた私でしたが・・・。  しか〜し、車庫の中の仮設台所では、ハエ、ゴキブリ、蟻、蚊の大群とのしれつな闘い。毎日2匹でやってくる野良猫におかずも奪われるし、海の家のシャワー室みたいな板一枚囲いの仮設風呂、イベント会場によく設置してあるぐらぐら揺れる仮設トイレ・・・。 うん、うん、いいよ、いいよ、ずっとじゃないからがまんする−って確かに言ったけどさ〜・・・。]]] う〜っ・・・耐えがたし。
 この仮設生活が終わるまでに、家族から食中毒が出ない事を願ってやみません。
それにしても、50〜60年程前は、ガスや水道も完全普及していなかったはずですから、竃(かまど)で薪を焚き湯をわかし、ごはんを炊く、なんて当り前だったでしょうに、これらの物が急になくなったら現代の人間は一体どうするのでしょう。 「今の若いモンは絶対生活できっこないよね!」と夫と話していたら、同居している"今の若いモン"から「今の若いモンは何もできないと決めつけるのはやめてよ。そうなったら、ちゃんと適応して何でもやらなきゃ生きて行けないんだから!!」って言われました。ふ〜ん、そっか。「今の若いモンにやれるか・・・」と決めつけた自分にちょこっと反省。 そう言えば・・・、ついこの前まで「今の若いモンは・・・」と言われ続けて年寄りに反発していたのに、今は逆の立場になっちゃって。ってことは、私は年寄り?? あちゃ――。
さてさて、井戸水とぽっとん便所しか知らない暮らしから、夢のシステムキッチンと水洗トイレという現代の暮らしに一気に並んだ私の生活がどうなっております事やら・・・。
じとじと梅雨のあとは猛暑、私の苦手な夏バテの季節です。春から夏バテするこの私なのに、今年はまだ大丈夫。何故?って考えても変わった事と言えば、仮設暮らしでおかずに手をかけられないので、白いごはんにのり、のり、のり、と毎日たくさんののりを食べている事くらいなんです。 「のりって、すごいじゃないか!!」 今更こんな事言っていますが、やっぱりすごいんだ、と改めて見直しております。
皆様もたくさんのりを召し上がって暑い夏を乗り切って下さいねっ。

 
2010.03.03発


 2月になったというのに、「ひとこと」は昨年からずっとお休み・・・。本当にご無沙汰していてごめんなさい。ズボラな性格だから、冬になったら「やるぞー!」が、年が明けたら「書くぞー!」になり、「あれ?もう2月じゃん・・・」と、なってしまったのです。言い訳するつもりはないのですが、やっぱりちょっと言い訳を・・・。

 昨年は、次男が巣立ち、寂しさに慣れぬうちに実父が他界。その後、夫が手術を受けるなど、私にとって色々な事がありました。「今年は別に何もない年だったな」などという年があるかと思えば、数年分相当の出来事が1度にワッと押し寄せてくる。しかも、おめでたい事がたくさんあるのなら嬉しいけれど辛い事が重なってしまう。「こんな年もあるんだ・・・」と、さすがの私も落ち込んだり、泣いたりしました。
 人が慌しい時には"食"にかまっている余裕もなく、おろそかになりがちなことは分かります。一応、栄養士の看板を掲げている私でもその例にもれず、「これが栄養士のいる家庭の食事なんて絶対言えんよね。隠しカメラで見られてたらヤバイよね」などと、息子と話しながら2人でお茶漬けを食べたり・・・。

 1日や2日で体がどうなる訳ではないでしょうが、次から次からへと色々な出来事が続き、その度に右往左往しながら過ごしているうちに体力も落ち、ストレスの影響もあったのでしょうか。次第に体はだるく、疲れやすくなって何度も風邪をひいてしまいました。風邪は軽く終わらず、処方された薬で薬疹が出たり、ひどい咳から耳鳴り、難聴気味になるなど連鎖的な変調が出ました。若いつもりでいたけれど年だけはりっぱな中年だし、体が元に戻るには時間がかかり、気力が回復するにはさらに時間がかかりました。健康な時には何も感じないのに、風邪をひいた位でも健康の有難さを思い知りました。手術をした夫は尚更の事、健康の重みをひしひしと感じたようです。術後の体調になかなか馴染めず苦労していますが、支える側の私が栄養士の看板を下ろさなくてはいけないようでは健康も取り戻せないので、私も年末から食事作りのリハビリです。長年主婦をやっていても、気力、体力ともに充実していないと、「栄養バランスを考えた上での美味しい食事作りは難しいものだ」と、感じました。長年かけて良い習慣がやっと身に付くことに比べ、悪い方へは短期間に転がり落ちて易々とは元に戻らない・・・。うーん、これって年のせい?それともぐうたらな私の性格のせい?

言い訳ばかり長くなりましたが、バタバタしながらも秋から親子絵巻すし教室で福岡県内を10ヶ所近く回りました。若い親御さん、それも父親の参加も結構多く、皆さん真剣そのものです。完成したおすしを切った時に見せる子供達の満面の笑顔!!「見て、見て!」と自慢しに来る子供、「海苔って甘いね。とっても美味しい!」、「楽しかった!」と、口々に報告するため私の元に来てくれる度に、いつも「良かった〜」と思うのです。
 こんな親子で行う体験は、子供達が大きくなって、きっと大切な宝物になるはず。私も昨年他界した父との間に「食」を通した沢山の"ほんわかあったか思い出"を持っているからこそそう思うのです。
 父は七輪の上に厚手の鉄板をのせ、おやきを作ってくれました。焼きあがるのを私達子供が取り囲んで待ち、出来上がったおやきに黒砂糖をはさんでくれるのです。熱で黒砂糖が溶け出してポトポトと垂れ、顔や手をベトベトにしながらフウフウと頬張っている光景をまるでテレビ画面で見ているかのようにはっきりと鮮明に思い出すのです。そんな父が大好きでしたが、一方で食事の際に行儀の悪い事をすると、手足をビシッと叩かれたものです。未だに足を崩して食事をすると居心地が悪く、食べ物が美味しくないのです。
 現在、家庭ではイスに座って食事をしている状況ですが、私だけは家族に笑われながらもイスに正座して食事をしています(笑)。
 父は私達子供が足を崩して食事をするのを見て注意したところ、「お父さんも足崩しているよ」と、言われたその日以来、正座して食事をするようになったことを、私が大人になってから知りました。私の婚約祝いでの宴の席で、酔って顔を赤らめた上機嫌の父が、夫方の親類に何度足を崩すよう勧められても最後まで崩さなかった事を、昨日の事のように誇らしく思い出すのです。

今の子供達は、塾やお稽古事で忙しく、親子でおやつや食事を作ったりする時間はなかなか取れないだろうとは思いますが、大人になってからの事を考えると、「幼少期に沢山の食体験をして欲しいな」と、願うのです。
せめて食事の時間にはテレビを消して「美味しいね」と、言いながら家族で食べる。色々な食材を話題にする。大人が食体験を語る。親子で時々料理をする―大げさに食育なんて言わなくてもそんな事で良いんじゃないのかなぁ・・・。
でも、夫とケンカした日の二人っきりの夕食にはテレビが欲しい時もあるけどね(苦笑)。

 
2009.09.02発


 梅雨が明け、何となくじめっとした印象から解放され、スカッと晴れた夏の空が気持ちいいような、夏に弱い私は怖いような・・・。しかし、7月26日はすごい豪雨で、その後も各地で災害が続き、恐ろしいそして悲しいニュースが続きました。
 こんなに科学や技術が進歩した現代でも自然の脅威の前にはなす術もない非力な人間だと思い知らされます。
 私は、私の住むこの地に嫁に来て30年になりますが、近くの田畑がまるで海のように水に浸った光景を初めて見ました。道も冠水して通れない、あちこちで土砂崩れ、電車も止まり、高速道路も通行止めで大渋滞・・・。
農作物への影響や赤潮のニュース等もありました。「食」に関する影響は、どうしても
敏感になってしまいます。「せめて最小限の被害であれ」と願うばかりです。

さて、むしむしの梅雨の最中、佐賀市の小学校で絵巻すし教室が行われました。海苔漁場がすぐ近くのこの土地の子供達からいろんな土地に海苔の美味しさや食文化を発信してもらいたい−との思いを込めて出かけました。
当日は、あまりの湿気に海苔が見る見る縮んでびっくり!!こんな経験も初めてでした。
作っている途中は不安げな子供達も完成してすしの断面を見た時のキラキラ輝く笑顔は、何時どこでみても嬉しくなります。
当日は、テレビの取材が入り、放映されたので子供達も家庭で盛り上がったことでしょう。
とにかく蒸し暑くて、ひとり大声を張り上げている私は汗だくで、カメラが向けられていることさえ気付きませんでしたが、いろいろな方から「テレビを見たよ」と、連絡をもらいました。
佐賀市と私の住んでいる町はエリアが全く違うので、放映されることはないと思っていたのですが、九州版ということで放映されたようです。当の本人が見損なった映像を「見たよ」と言われ、フクザツな気分・・・です。
秋からは、「絵巻すし」教室開催のため今年も美味しい美味しい「福岡のり」と福岡県産米で作ったすし飯を持って、福岡県内を周ります。これまで行ったことのない地域が対象になるのでどんな土地柄なのか、どんな出会いがあるのか、またどんな美味しい食べ物がある所なのか期待しています。
その前にこの暑さを無事乗り越えなくちゃ!!ぎっくり腰がくせになってしまったこの体だけど・・・。皆様もお体を大切に・・・。

 
2009.05.11発


 正月がきたと思ったら慌しく春、なんて言ってたら桜も終わり、時間の流れは年とともになんて早くなるものでしょうかね…。

 我が家の次男が4月には親元を離れる話は前回しましたが、こんなに盆と正月が一緒に来たように忙しい春は初めての事でした。新生活の準備といっても食事付きの寮暮らしですから、鍋釜類を揃える必要はないものの、スーツやシャツの他にテレビのDVDプレーヤー、パソコンと、私が若い頃とは揃える物にも時代の移り変わりを感じました。

 でも、何より安心していて良かったのは、朝晩の食事の心配がない事です。
 食べ物が豊かになって久しい昭和40〜50年代、インスタントラーメンにポテトチップ、炭酸飲料の繰り返しで若者の間に原因不明の病気が!実は脚気だった…。なんて話が私が若かりし頃にありました。年配の医師ならすぐ診断のつく脚気が、その頃の若い医師は脚気を見た事がなかったので、新しい病気が若者の間にまん延か!?ということだったらしいです。
 うちの次男がもし食事付きじゃない生活だったら、こんな話が本当になりそう……。
 私が食事バランスを考えて料理しても彼は自分なりの味にこだわり、何だかんだと理由をつけては嫌いなものを上手に選り分けて残し、注意するとこの私の数倍のパワーで食べない理由を述べるのです。私は子供達が小さい頃は食べ残しを許さず…
 子供「吐く〜」
 私「吐いても食べなさい!!」

と過激な指導をした母親のせいで食べられなくなった、と。
 「そうか…、私が悪かったのか…」とちょびっと反省はしますが……。
 この次男は食にからむ話題がたくさんあります。牛乳嫌いで小学校1年の時、毎日のように先生に「牛乳残していいですか?」と聞きに行ったそうです。1年間、毎日聞きに来た、と担任の先生に言われました。「ダメ!」と言うと、ちゃんと飲むそうなので、「毎日聞きに来ても、ダメって言われるのがわかっているのに、どうして聞きにくるの?」と先生が尋ねると、「ひょっとして、きょうは『ま、いいか』と許してくれるかも知れんから」と、答えたそうです。

 こんなにマメで根気があるなら、他の事でこれだけの根性見せてくれたらねぇ……。
 「牛乳は体にいいんだよ。カルシュウムたっぷりだから、背が伸びて大きくなるよ〜。」なんて、次男とは正反対に牛乳大好きなお兄ちゃんの背の高い事を比較して(二つ違いだから当たり前だったんだけど)アドバイスされると、学校以外では牛乳は絶対に飲まない、と決めて「お兄ちゃんどっちが大きくなるか比べる!」と言っていました。

 小さい頃の話ですから相手にもしませんでしたが、彼は忠実に守り、中学を卒業する頃には、牛乳大好きお兄ちゃんを、あっという間に追い越してたけのこみたいに身長がひょろひょろと伸び、我が家で一番の身長に。「ほらね!!。牛乳なんか飲まなくてもデカくなったやろ!!」と得意満面。私の負け……。
 そんな息子が親元を離れてちゃんと食べているだろうかと心配している私に、入寮の日の豪華夕食が写メールされてきました。ぞうりのように大きいステーキ、野菜たっぷり、しかもデザートつき、「家よりうまいぜ!」だって。

 まあ、とにかく良かった。食は命。私達の体を守り、健康を維持するのも、逆に病気になるのも、食べ物の影響は大きいと思います。健康は食べ物が作る、と言っても過言ではないかも。
 家では、わがまま言ってても、やかましく言う母親の元を離れたたら、野菜は欠かさず食べなきゃ、とか牛乳はいやでもヨーグルトを食べるとか、体をいたわる食生活が身についてくれたらな…と願うばかりです。
 3月に行われた給食フェアで約40組80人の親子が絵巻すしを体験されました。完成した「梅の花」の図柄を見て、輝く瞳、こぼれる笑顔を見て、親子でこんな機会を利用して頂き、ひいては「食」に興味を持って、健康に育って欲しいな…、と願わずにはいられませんでした。
 みんなすくすく大きくなぁ〜れ!!。
 それにしても最高級ののりに「夢つくし」のごはん…。おいしかった!!。

 
2009.01.14発

10月から「親子絵巻すし教室」が始まりました。
今年も福岡に生まれ福岡で育った私でさえ訪れた事のない土地に何ヶ所も出かけています。その土地の風景、人柄、子供達の笑顔・・・。この仕事をしていて感じる事、学ぶ事がいっぱいです。特に田んぼと山に囲まれて暮らしているせいか、海を見ると感動してしまいます。そして、食いしん坊である私は、仕事が終わってその土地の名産を探すのが楽しみになっています。見知らぬ食材を見つけるともう大変!「なんじゃこりゃ?どうやって食べるんだ?」と興味津々。若い頃からこの好奇心でさんざん失敗もしましたが、未だに止められません。時にめちゃくちゃ美味しい物に出会うと当地まで通う事になりますし、通えない所だと大量に「お取り寄せ」してしまうほどです。

さて、新海苔の海苔摘み風景や入札風景がテレビや新聞でも報道されましたが、私も早速新海苔を賞味させて頂きました。今年も美味しい海苔が出来ていますよ!焼く時の香ばしい香り、口に含むと甘さが際立ち口溶けも良く・・・・。新米に新海苔、あーおいしい!!
海苔がこんなに美味しいものだったなんて本等に感動します。こんなに美味しい海苔が国内で採れるのですから、自給率アップのためにもごはんに海苔で決まり!多くの人にこの美味しさ知って頂きたいなあ。

お正月も終わりましたが、この家に嫁いだ当初は、年末年始は決まった行事が幾つもあり、その行事の決まり事がいっぱいあって無邪気な若嫁はもうびっくり!!そして、それが毎年繰り返し続いてきました。「なんでそげん事せんといかんと?どうして?意味分からん!!」と、心中抵抗しながらも黙々とこなす義母についていくしかないのです。しかし、その義母も便利に省略ばかりする時代の移り変わりにも流されず、嫁いで以来それを守り続けてきた人でした。
年取り行事、神仏のお供え、元旦行事、接客仕度、七草、ほうけんぎょ(どんど焼)、鏡開き・・・・と、その一つ一つに決まり事や作法、献立があり、私はその数の多さに覚えきれずノートを作って記録しました。また、年によって献立も変わったりするので書き足してもきました。現代の生活に合わせて何でも簡略化される事が良いとは思いませんが、お年玉を貰って美味しい物を食べて、楽しい嬉しいお正月のイメージは結婚して一転、「いやだー。大変だー。また、正月が来るー」となってしまったのです。
「自分の代になったら、こんな事はみーんな辞めてしまおう」と、ひそかに考えるようになりました。その時、夫が文句を言っても「フン!!自分でやってみな!!」と無視してやろう。「正月は家を空けて旅館に泊り、温泉に入って上げ膳据え膳でぜいたくしよう・・・」なーんてね。

ところが、ですタイ!!結婚して20年も経った頃には両親も他界し、決まり事を省略できる時がやっと来たというのに、決まり事を書き溜めボロボロになったノートを見なくても、一連の行事をスムーズにできる、そして、きちんとそれをやらないと何となく「気持ち悪い」私がいたのです。この家に生まれた夫が、時々決まり事を忘れたりしくじったりすると「コラコラ!!」と注意するほどです。しかも!しかも!!私の愛する子供達は、年末年始の一連行事を「伝統行事・伝統料理」として楽しみにするようになったのです。
夫のためにはできなくても(エヘヘ)、子供達が喜ぶならやらなくちゃ!!!
 特に、来年春には我が家に明るい笑いを提供してくれる次男坊が就職のため家を離れます。味にうるさい次男坊に「お母ちゃんすごいぞ!!」とほめてもらうため、今年もおせち料理を手抜きせず張り切って作りました。「この母の料理食べたさにしょっちゅう帰ってきますように・・・・」と、念じながら。

 
2008.09.29発

 うーん!一体何を信じたらいいんだ・・・・?

「食の安全を守る」という良心は、人の中から無くなったのだろうか。自給率の低下に加え穀物の高騰は、日本人が「米」を見直し、消費拡大につながるチャンス−と私は思うのです。しかし、連日テレビ等で伝えられる、事故米・汚染米のニュースはショックでした。私の夫もある意味でショックを受けました。なんと、甥っ子に貰った焼酎に事故米が使われていたことをニュースで知り、すでに2/3を「おいしい、おいしい」と飲んでいたからです。

 最初は、この問題についてアルコール類しか頭に無かった私は、その後次々と明かされる菓子への混入、さらには保育園、小学校等の給食へと実態が明らかになるにつれ、一体何を信用して良いのか・・・・。息子にはいつも「表示を見なさい」と言っていたのに、「(表示を見ても)嘘つくけん信用されんじゃん」と言われると返す言葉も無い。「その位疑った方がいいのかも・・・・」と思う程です。

 隣国中国のミルク事件も日本に影響がありましたし、自給率の低い日本は、今後またどんな形でその安全を脅かされるかも知れませんしね。
 我が家の周りは田んぼばかりですが、減反や休耕田を見かけます。米余りのためこういう状況になっていると聞かされている息子は、今回の事故米問題について「日本は米が余っちょるとに、なんで外国から汚染米やら買わないかんかな。意味分からん!!」と言います。
こんな偽装が次から次へと発覚し、私たち消費者の安心安全な食べ物を求める気持ちは誰に訴えたら届くのでしょう。「大丈夫か?日本、こんな事で!!」。あー、ひとり熱くなってしまいました。

10月からは、福岡県内のいろんな所を「親子絵巻すし教室」のため県産米「夢つくし」で炊いたすし飯と「福岡のり」を持って訪れます。
作った人達が見える安心、安全な材料を使って子供たちの輝く笑顔を楽しみに・・・・。

 
2008.07.28発

いっても仕方ないんだけど暑いですねー!
 これだけ注意してたのに、やっぱりバテてしまいました。長期予報でも8月、9月と猛暑が続くとのこと。7月からバテててどうなるんだろう? バテる位ならやせそうなのに、それはちっとも関係ない…。何で?
 この年になると(ヘヘ、実は私52歳)基礎代謝も低くなって、ちょこっと食べ過ぎると、すぐ太るって感じです。
 人様に栄養指導をやっている時は、教科書通りの事をいってましたが、実際、自分がその年齢に達すると、皆さんの訴えがよくわかるようになりました。血液検査をしてみたら総コレステロールが「ひゃあー!」という位、高くなっていて、このままなら薬をのまなきゃ、と医者にいわれた私は、栄養士とは思えない行動ではありますが、2ヶ月間まったく卵ぬきの生活を敢行してみました。
 卵は優秀なたんぱく源。「2日に1ヶ位召し上がっていいですよ」なんて人様にいってた、この私がです。自分の体で実験ですね(笑)。卵ぬきしても血液データは大して変わらないだろうという気持ちだったんですが、実は、2ヶ月後の血液検査では、ナ、ナント!、しゅるしゅると正常値に下がってしまいました。
 医師に「よく頑張りましたね」とほめられ悪い気はしなかったものの「2ヶ月1個も卵を食べず頑張りました!!」と大声でいう私に「こんな栄養のいい時代に、何か他にも食べてるはずだから、卵食べなくても大丈夫ですよ。アッハッハ〜」なんていわれ「くやし〜〜っ!」。そこで、私はまた実験。卵をとーきどき、少し食べてみる事に。(まあ1週間に食べた量としては全部合わせて2〜3個程度)
 息子の目玉焼きにお箸突っこんで「少し頂戴」なんて、いやがられながら2ヶ月間。そして、病院へ。私の考えでは結果は上々のはず!だったのに…。ボンと高値に逆戻り。先生の前で、ショボーンとなってしまいました。
 総コレステロールが高いからと卵を全く食べないと訴える方々を前に「卵だけ目の敵にしないで、バランスよく食べて」なんていってた私でしたが、この実験で、栄養士の頭の中は???。
 医師「お母様の総コレステロールはいかが?」
 私 「すごく高いらしい(・・・)です」
 医師「太ってる? やせてる?」
 私 「やせてます…」
 医師「じゃ体質ですね。更年期ですしね」
 私 「はあ…」
 総コレステロールが高いのに薬飲みたくない! と頑張っていた皆さん。ごめんなさいね。今は私がその立場になって、悪戦苦闘しています。
 何でも、その立場になってみらにゃわからんですバイ。でも、薬はまだおあずけにして、食事と運動でコントロールしようと、栄養士の威信にかけて奮闘中であります。でも、この猛暑のさなかのウォーキングは、夏バテの私には朝夕でもつらい…。
 皆様、夏バテしないよう、ご自愛下さいませ。

 
2008.06.18発

梅雨がやってきました。"梅雨が大好き"なんて人はあまりいないと思うけど、私も大の苦手。気分まで滅入ります。梅雨の間は、気温はあまり上がらないけど、梅雨が明けたら明けたで猛暑がやってきます。夏に弱い私は、一難去ってまた一難なのです。

夏バテは食べ物との関係もあるし、暑くなる前からバランスの良い食生活を心がけてはいますが、太る事はあっても痩せないし、夏バテしない年はないし、バテて"トド"のように寝そべる私を家族が冷たく横目で見るんですよ・・・。「毎年の事だから無駄な抵抗はやめるか」とも思うのですが、「努力してこの状態。しなかったらこの状態も維持できないかも」と思うし・・・。

しかし、私の連れ合いは、扇風機の風が嫌いだから使わない。エアコンもほとんど使わない。仕事が休みの時は、一日中汗だらけで畑仕事をし、元気そのもの!!同じ物を食べてこの違いは何だぁ〜?今年の夏バテは、ダメージが少ない事を祈ろう・・・。

ところで、何でもかんでも食品が高騰して家計が大変ですよね。お気に入りのパン屋さんもうどん屋さんも値上げのお知らせばかり。小麦不足とか。
やっぱり日本人は米でしょう!!もっと米を食べればごはんに合う食材、おいしい海苔の消費も増える。日本古来の食品も守られる。減反しなくても良くなる。農業をする人も増える。自給率も上がる−と、そんなに簡単には、いかないと思うけど、伝統の味は残っていって欲しいですね。
食の多様化は悪くないけど、基本は和食。ごはん、味噌汁、煮っころがし、焼魚、漬物・・・。
50年で様子が変わってしまった日本の食事。あと50年後の日本の家庭の食事ってどうなっているんだろう?食いしんぼの私は、それが見てみたい。

 
2008.05.08発

あでやかだった桜もあっという間に終わり、さすがに着ぶくれていた服を一枚、また一枚と脱いでスマ−ト(?)になりました。
年明け中国ギョーザ問題を皮切りに"食"に対する意識が高まりました。
テレビでも、少しでも安全な食べ物を−と冷凍食品ですませていたギョーザを手作りする主婦の姿が映ったりしました。
自給率の低い日本の食卓から輸入品がなくなったらどうなるのか、のシミュレーションが具体的に献立で表されて我が家の息子達もビックリ!!
「ギョーザは食べなくても生きていけるから大丈夫」なんて言っていたのですが、みそやしょうゆは日本独特の食品だから、ほとんど食卓からなくなるという考えは全くなかったようで、大好きなうどんに麺がほとんど入っておらず、味付けのしょうゆもなし−といううどんがテレビに映し出された時は「えーっ!なんでー?」と大きな声をあげました。
うどんの小麦も90%以上が輸入、しょうゆの原料、大豆も同じくほとんどが輸入されていることを知り、「それじゃいかんやろー!その位、日本で作らなー!」ですって・・・・。
もっともっと以前から、こんなに自給率の低い先進国は他にないと言われ続けても、その低下に歯止めがきかず、さりとて国民には危機感もなく、こんな問題が起きた今になって多くの人達がその事態を知ることになろうとは・・・。
人が生きていくのに大切なのは食物。身のまわりには、あまりにたくさんの食品があふれているから日頃は考える事すらありませんが、私達日本人は輸入品がなかったら現在の食生活は成り立たないのですね。

うちの夫は月曜から金曜までネクタイ下げて仕事に行きますが、土・日の週末は農民に早変わり。友人は、ゴルフ、フィットネスにお金を使うけれど、夫はくわを持ち、泥にまみれて畑と格闘して農作物の報酬を得ています。
 正直、これまで種や苗代、肥料代など考えると出来上がった野菜を買う方が安い事も多かったのですが、今回ばかりは「ありがとさん」です。
 自分達が食べる物をすべて作る事は不可能でも自分達で出来る事を少しずつ始めなくちゃ!!
今年は植木鉢にミニトマトを植えて、青しそを作って、時々畑の草むしりでも手伝うとするか・・・。

 
2008.01.17発
 11月から親子を対象に始まった「絵巻すし教室」で、福岡県内5ヶ所をまわっています。
県内なのに、この年まで行ったことのない地域に出かけたりして、絵巻すしに挑戦する皆さんと、ひとときを過ごしています。
 食をとり巻く環境が大きく変わり、食料自給率も40%を切っている今、「食育」が盛んに
言われています。
 「朝ごはん、ちゃんと食べてきた?」「何食べた?」と、どの会場でも聞きますが、朝ごはんを食べずに来ている子も、やはり、ちらほらいます。
 そして、朝食は食べてきていても、ごはん食よりパン食の方が多いのには、わかっていたようでいて、ちょっと残念な気がしたなぁ。そんな私の思いは置いといて、絵巻すし教室が始まると、みんな大盛り上がり!
 中には、すしめしや具材をつまみ食いしちゃう子や、細かく指図する大人に反抗して泣き出しちゃった子も・・・・。
 ところが完成して切ってみると、どの子の作ったおすしも、可愛らしく模様ができてとても
上手。その瞬間の子供達の笑顔が素晴らしい!!
 部屋中、海苔の香りが漂う中、おいしい、おいしいと絵巻すしをほおばる子供達を見ていると「食育」って大げさに考えなくても、早寝、早起きして、家族そろって、ごはん・みそ汁、そして「のり」で決まり!
 
 2007.10.02発
長らく御無沙汰ごめんなさい。
今年の夏は暑かったですねー。

毎年そう言っている気がしますけれど、私が子供だった頃からするとやっぱり温暖化で年々過ごしにくくなっている気がします。そういえば、夏休みには子供の姿をいたる所で見かけるのが当たり前の光景でしたが、今年はあまり見なかったような気が・・・?

学校のプールで水遊びしているのかな?と思っていましたが、学校の先生に聞いて見たら、プールに入っているうちはいいけど、家からプールまでの往復が暑すぎて熱中症になりそうなので、クーラーのきいた家にいるほうがいいのだとか!学校のプールは閑古鳥が鳴いていたそうです。ひゃー驚いた。

近年の環境の変化には驚くばかりではありますが、暑いからとクーラーのきいた部屋で冷たい飲み物、食べ物ばかりで体調を壊していませんか?

私も夏バテするほうだから大きなことは言えないけど、実はこの夏バテも食と大きく関係が
ありそうです。

やっぱり食は命。
2〜3日いい加減な食べ方をしてもすぐ病気になる訳ではありませんが、慢性的に朝抜き、
昼はある物で、なんて食生活ではやっぱり暑さにも病気にも負けてしまいます。
栄養のバランスは良いか?きちんと3食べているか?野菜はたくさん食べているか?

ストレスの多い体を優しくいたわる食事を心がけて見ませんか?
 
 
ここ数年、食に起因する病気がすごく増えている。
糖尿病や高血圧など、生活習慣が原因といわれているものだ。
そのひとつひとつは大した事はなくても、2つ3つと複合して命を落とすメタボリックシンドロームというものも新聞やテレビでよく耳にするようになった。しかも小学生のような幼い子供達からすでにその兆候が現れているという。食べたくても物がなかった戦後から約60年。

食べたい物が何でも食べられる
豊かな時代になったのに・・・。
私達は、子供達は、何をどの位
食べたら健康でいられるのでしょう?
少しずつ考えてみませんか?

                  (続)
 
 
アイディア料理に掲載している海苔レシピについて、栄養面などから
清武先生にコメントを頂いています。
是非参考になさって美味しい海苔料理を作ってください!