◎宮城県の海苔採苗(種付け)最盛期
東日本大震災による津波被害で、壊滅的な打撃を受けた宮城県下の海苔産地では、昨年「みちのく寒流のり」を守ろうという海苔養殖漁家約60名が養殖に取組み、1億3千万枚と災害以前の5分の1程度の生産枚数でしたが、生産資材が乏しい中、共同作業で予想以上の生産数量を上げました。
このような回りの海苔漁家の活動ぶりに刺激された人も多かったようですが、今漁期は、約130名の海苔漁家が新海苔生産に取組むことになりました。資金も資材もなくした漁家が多い中、1台の海苔製造機を4〜5人で使う共同作業方式で新海苔作りに取組むことにしています。
9月7〜8日の2日間、宮城県の石巻湾、仙台市の漁協を尋ね、海苔養殖の準備に取り掛かっている現場を見て来ました。「災害の年は、気が重くて海苔作りどころではない状態だったが、去年のみんなの活動を見ていたら、なんとかやらねバという気になって、みんなで取組むことにした」と話していましたが、後継者の若い人達が、海苔採苗(種付け)作業にキビキビと動き回っていました。このような産地の活気に触れて、宮城県漁協で今年度の生産予想を聞くと「去年の3倍位になるのではないだろうか。3億5千万枚以上を見込んでいる」という返答でした。
海苔の作業場を漁港近くの沿岸に作るか、内陸部に作るか−悩みも多かったようですが、訪れた日には、漁船を横付け出来そうにないくらい地盤沈下したり、地震で壊れた岸壁がそのままになった海岸に、作業場の建設が進んでいました。帰り際に「暑い日が続いていますが、新海苔を楽しみにしています。体に気をつけて下さい」と挨拶したところ「わざわざ来てくれて有難う。宮城の海苔が売れるように、宣伝頼みます」という返答が帰ってきた。
「宮城産 寒流海苔」楽しみにしています!。
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