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平成24年度漁期の概況 (2013.08.29更新)
韓国の平成24年度海苔生産状況は漁期当初、台風による被害を受けた影響等で岩海苔系統の生産が思わしくなかった。しかし、その後生産は順調となり、今漁期の生産推計では140億枚程度に達したとの見方もある。不作だった前年度が120〜125億枚程度の生産量だったと考えられていることから、今漁期の韓国は豊作年となったようだ。
相場の状況として現地商社筋の話では、岩海苔系統の生産が少なかったことで価格が高めに推移した。一方、スサビ系で一般海苔と呼ばれる業務用向きのものについては、前年度不作のため多くの買付に来ていた中国が今漁期は豊作ということで注文が減り、やや低めに推移した。しかし、在来海苔と呼ばれる味付海苔向きのものについては、前年度の不作で在庫が減っていた分、高めに推移していた−とのことだった。日本向けの注文については前年より2〜3割、業者によっては5割位減っているとの声も聞かれた。5月15日、東京都大田区の大森本場乾海苔問屋協同組合で平成24年度の需要者割当(海苔専業者)分として輸入韓国海苔の乾海苔入札会及び無糖味付海苔と海苔調製品商談会が行われた。乾海苔の出品枚数は約2億2,243万枚だったのに対し、成立枚数は約1億8,223万枚。成約率は82%。平均単価は5円54銭で前年に比べ44銭安。また、高値は7円(前年実績・7円30銭)。安値は3円90銭(同・4円90銭)だった。今漁期の日本産海苔の生産・買付動向、円安等の影響から前年度のような全量落札には至らない状況が見られた。
また、商談会では、海苔調製品7,600万枚の需要者割当の上限枠に対し約5,029万枚分が成立し、成約率は66%。無糖味付海苔1億0,100万枚の上限枠に対し200万枚が成立。成約率は約2%と低調であった。
一方で、韓国味付海苔の売れ行きがスナックとしてアメリカ、カナダ、オーストラリアのコストコなどの大型店舗で好調のようだ。注目すべきは、購入者がアジア人ではなく、地元の白人が増えているようで、今後海苔の持つイメージ“健康”や“美容”をキーワードに、ヨーロッパ市場などへの幅広い展開を模索している−という話が出ている。
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平成23年度漁期の概況 (2013.08.29更新)
韓国の平成23年度海苔生産状況は日本同様、漁期当初に高水温の影響を受け、芳しくない生産状況だったが、年明け2月頃以降から徐々に持ち直し4〜5月に生産状態が良くなった。しかし、漁期終了後聞いた韓国生産団体筋の情報によると、韓国国内の海苔生産数量は、23年度漁期が岩海苔を含め約1億2,500万束(1束・100枚=125億枚)相当。22年度漁期は約1億2,900万束(129億枚)相当だったと見られており、前年対比で約3.1%減少している。また、2012年5月に東京で行われた輸入韓国海苔の入札会でも、航空写真で調べた漁場に張られた網数から算出した生産推計が前年度129億枚から今漁期は120億枚に減少したという話が出ていたことから類推すると、数字に幅はあるものの前年度より減産になったことは、ほぼ間違いないようだ。ただし、航空写真で撮られた値には、2割程度のバラ干しが含まれているという話もあったことから、板海苔だけで見ると90億枚台か若しくはそれよりやや少ないのではないかと見る流通業者もいた。
このような生産状況だったため、原藻(生海苔)価格は1kg当り、前年が650ウォン(日本円換算・44円)相当であったが、今漁期は約753ウォン(同・51円)と約10%高い相場になったようだ。また、韓国国内の販売競争も激化しており、今漁期、中国国内の生産状況も芳しくなかったため高相場で推移したことから、韓国海苔を買い求める中国商社が増え、中国輸出が増加している等の動きが見られた。韓国にとって今年は海苔輸出2億ドルを目標に掲げており、国内市場で厳しい過当競争が続く分、輸出に対する期待感も強くなっている。
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平成22年度韓国海苔の概況 (2012.04.16更新)
今年度漁期の韓国における海苔生産量について正確な数量は不明ながら、韓国の海苔関係者に聞く限りでは、決して豊作ではなく、不作と認識する声が多かった。水温は低かったものの、昨年度漁期に比べ強風被害やアカなど病害被害も少なかったようで行政機関調べによる生産量では、昨年度が84億枚だったのに対し今年度は90億枚程度には達するという話が聞かれた。
一方で、「平年より1割近く少ないのではないか」と語る流通業者の声も聞かれた。昨年度当時「平年の2割近く少なかった」という話が出ていた状況を考えると、平年作で100億枚近い生産量を上げる韓国にあって、昨年度よりは良かったものの今年は1割近くの減作、90億枚程度の生産量だったのではないかと類推される。生産状況は産地によって地域差が幾らか見られたようで、南側漁場が好調だった割に、西側漁場は今ひとつだった模様。
相場について行政機関調べでは、産地における生海苔入札価格が昨年度より生産量の増えた分平年並みに抑えられたようだが、加工メーカーの扱う乾海苔の入札価格は昨年度不作で在庫が少なかった分、強い相場となったようだ。流通状況も輸出は良かったようで、国内市場についても業務用需要が増えるなどまずまずの動きだったようだ。
対日輸出についても日本の海苔生産量が減少傾向にある中、先月大森組合で行われた需要者割当入札、商談会の結果が示すように、韓国海苔に対する日本の海苔商社の関心が高まっており、会当日も参加した日本の商社に対し韓国側の積極的に売り込む姿が見られた。
とはいえ、韓国における生産量も数年不作傾向にある中、既存の国内、輸出需要は確実に賄わなければならないことを考えると、何でもすべて日本に輸出できる状況にあるかといえば単純にいかない事情もはらんでいる。今後、日本市場で韓国海苔を扱う量が増えていきそうな気配だが、世界的には海苔需要が増加傾向にある中、日本、韓国、中国の海苔生産国はこれまで以上に互いの生産動向、需給バランスに気を配らなければならない時代に突入したようだ。
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低迷価格に怒る韓国商社 (2010.7.21更新)
今漁期(2008年)の韓国海苔生産状況について地元関係者の話しでは、「今漁期の出来は悪かった」ということであった。日本のように共販による入札制度を実施していないため生産総数は正確に掴めないが、ある韓国海苔業者の話では「2008年が99億2,200万枚生産されたのに対し、2009年は80億4,000万枚生産された」ということである。他の業者も同様、「細かい数字は分からないが、昨年よりは間違いなく生産量が減少していた」と、昨年度実績よりは下回っているようだ。
今漁期は、漁期当初から水温が高かったこともあり、育苗が遅れた。
例年10月末からの漁期開始が11月末になったと話す業者もいるなど、育苗遅れ、その後の高水温状態続きが生産減に大きく影響したようだ。さらに年明け後の2月、3月頃には、風の影響で芽流れや摘採出来ない日が多かったことなども生産減の大きな要因になったとしている。特に2〜3月以降の海苔質が「例年に比べるとやや悪かった」と話す関係者もおり、生産量だけでなく海苔質も例年に比べるとやや劣っていたと見られている。
特に、岩海苔系の出来は悪かったようで、昨年に比べ2割〜3割減少したと見る業者もおり今漁期の生産状態は、全体に厳しかったようである。
しかし、その反面、韓国の岩海苔相場は高く推移したようで、業者間取引で3,000枚が昨年まで40,000〜60,000ウォンだったものが100,000ウォン程度と2倍近く高く売れたということである。
末端需要に関して芳しい声は聞こえてこなかった。海外向けには、台湾、アメリカ、香港などで需要を伸ばしているという声も聞いたが、大きく需要を伸ばしている話もなく、全体としては横ばい程度で推移しているようだが、海苔の専門業者だけでなく総合食品メーカーも含めた価格競争が激しくなっており、日本同様、消費状態の厳しさを口にする声は多かった。
韓国の生産、流通とも厳しい話が多く、当の日本向け乾海苔入札会においても需要者割当韓国分限度数量・1億3,500万枚に対し韓国出荷企業数・34社・約8,928万枚の出品と、出品枚数も出荷業者も従来の半部近くに減少している。今回、日本から参加した海苔商社も入札前から「今日の入札(の成約率)は厳しいものとなるだろう」と口にする商社がいたが、実際、成約率約1.7%と韓国側にとっては、かつてない厳しい現実を突きつけられる結果になった。
過去最低の成約率を突きつけられた韓国側業者の1人は、入札結果発表後、怒りをあらわにし、自身の出品した海苔を会場内に撒き散らす一幕も見られた。
日本の海苔商社でも平成17年以降のグローバル化に伴う輸入割当枚数が年々増加した結果、「在庫をかなり持っている」と見られており、ここ数年、韓国海苔入札会における成約率の低調さが今年の入札会で極まった格好となった。昨年度の輸入割当分も未消化の状態といわれ、今後、さらに輸入割当枚数が増えてくると、海苔生産国全体が、大不作等の"不測の事態"が起きない限り、低迷状態は続く可能性が高い。海苔需要の促進を世界市場規模で推進しなければ、深刻さが増しそうである。
今回の結果は、日本、韓国、中国の各国が世界マーケットに対して、どのように"海苔"を売り込んでいくのか、海苔の啓蒙活動等について生産国による共通のグローバル・マーケット戦略を検討し、海苔需要の国際的なパイの拡大を考える必要がありそうだ。
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◎増える韓国の生産と国内需要 (2007.7.10更新記事)
韓国内の海苔生産数量がなかなか掴めない。
毎年ソウルで開かれる、韓国からの輸入海苔入札会でソウルを訪れた時、韓国の商社にその年の生産状況を聞いてみるが、なかなか実数が掴めない。4年ほど前までは70億枚程度だろうと言われ、「養殖岩海苔の生産が増え、全体の40%程度になるだろう」と聞いたことがある。毎年それが標準的な生産数量で、政府が、海苔生産の不作による価格の上昇を抑制するため、3億枚相当を年末需要の海苔価格安定対策として海苔業者から買取り備蓄しているということも聞いた。
ところが、一昨年訪れた時「海苔産地の上空写真を撮ったところ、ものすごく多い海苔網が張り込まれており、岩海苔や黒海苔を合わせて100億枚以上の生産枚数になっておるようだ」聞かされた。何時頃からそのように海苔養殖漁場が増えたのか定かではないようだが、そのように増えた海苔が大きな値下がりもなく消化されていたことについて、韓国内の海苔業界もさほど気にならない様子であったようだ。
その要因と見られているのが、欧米をはじめ東南アジア地区に対する輸出量の増加と国内需要の増加であろう−と見られている。中国に対する輸出も行われているが、欧米の和食ブームと回転寿司のブームでかなりの輸出量になっていたようだ。
また、国内需要は、岩海苔の味付のり(塩味)が人気を呼び、生産量が増えているといわれる。一般の人に聞いても「岩海苔の味付のりが一番おいしい」という。もう一つは、巻のりの食堂が増えたことである。かつては、夜店が立ち並ぶ商店街の通路で販売されていたが、オリンピックを機会に屋内の販売に規制されたのが、巻のり食堂に転向したといわれるが、ソウル市内のメインストリートをはじめいたるところで見かけられ、「巻のりカフェ」の様相である。
平成19年5月にソウルを訪れた時、「岩海苔を含んだ国内生産枚数は115億枚から120億枚に達しているのではなかろうか」と聞かされた。そして、「今年の黒海苔の生産状態は良くなく、岩海苔を含んだ総生産枚数は約30%減産で82億枚程度ではないだろうか」という。
珍島あたりは国内でも大きな海苔産地ということである。
そのため、国内相場も上がり、日本への輸出海苔は、出品枚数も割り当て枚数の1億6,000万枚より少ない1億0、491万枚で、その内、日本商社の入札価格が安過ぎるとして、売買が成立したのは、約27%の2,833万枚に過ぎなかった。1枚当りの総平均価格は9円77銭であった。ちなみに、日本全国の総平均化価格は、1枚当り8円65銭である。
4年前までは、韓国海苔の輸出割当枚数はすべて日本の海苔業者に売り渡されていたが、一昨年から、一般貿易商社にも割り当てられるようになり、日本の海苔商社に全量売り渡す必要がなくなったのかも知れない。これも時代の変化だろう。
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(2005年更新記事)
韓国の海苔生産の歴史は古く、550年ほど前に書かれた「慶尚南道地理誌」に「海衣」と記した海苔がみやげ物として紹介されている。1478年に書かれた「東国興地勝覧」、近年では1935年、鄭文基著「朝鮮海苔」によると、光陽郡の蟾津江河口で1本ヒビの養殖が行なわれていたという記述がある。また、莞島郡では、「薬山面蔵龍里で、金有夢という人が、海岸の流木に海苔が着いているのを見て、海苔養殖を始めた」という言い伝えがあり、それ以来、海苔を「キム」というようになったという話が、韓国では一般的である。
しかし、日本が併合した明治43年の前後頃から、日本式の養殖が導入されている。また、昭和3年頃には、当時の朝鮮総督府水産試験場主任技師・富士川きよし氏、全羅南道水試技師・金子政之助氏が浮きヒビ養殖法を開発して生産量を飛躍的に伸ばした。この養殖法は、日本に逆輸入された。また、海苔や海苔網の冷凍保存技術も技師・倉掛武雄氏らとともに開発された。
ちなみに、富士川きよし氏は終戦後も昭和28年まで、駐留米軍の要請で韓国に残り海苔養殖の指導を行い帰国するが、広島大学教授として後進の指導に当たった。その後、福岡県に招聘され、福岡県水試有明海水産試験場の設立に努力し、有明海の海苔養殖の基礎を築いた。その愛弟子が、後年の有明海水産試験場場長の藤田孟男氏である。
生産は、養殖技術の発達で増えたが、日本の統治時代はそのほとんどが日本に送られ、国内消費はごく一部の人たちに限られていた。ところが、1945年の日本敗戦によって、日本へ送られなくなったため、国内需要の促進を図らなければならず、海苔養殖漁業者の苦難の時代が続いた。こうした、韓国海苔漁家の動きに対して、昭和22年から日本への輸出が始められたが、数量は限られており、国内需要を増やすための料理方法や商品開発が行なわれ、巻きすし、塩とゴマ油の味付け海苔などの普及で国内需要が伸びた。近年は、味付け海苔の原料として人気を呼んでいる岩海苔の生産が増えた。
現在の産地は、釜山の金海地区、莞島から仁川に至る漁場が主要産地になっている。現在の生産枚数は約70億枚で、その約60%が岩海苔といわれている。現在の産地別生産状況は別表(1)の通り。
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1995
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1996
|
1997
|
1998
|
1999
|
2000
|
全南
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479,870
|
496,930
|
469,980
|
500,000
|
688,200
|
530,730
|
全北
|
68,650
|
72,290
|
53,420
|
52,300
|
58,390
|
68,550
|
忠南
|
77,520
|
65,130
|
39,560
|
61,000
|
83,840
|
56,010
|
京幾
|
8,550
|
10,510
|
7,650
|
3,700
|
3,990
|
5,650
|
釜山
|
27,480
|
28,980
|
30,960
|
10,460
|
33,430
|
35,650
|
江原
|
−
|
−
|
300
|
300
|
−
|
−
|
合計
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662,070
|
678,340
|
601,870
|
627,760
|
867,850
|
696,590
|
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平成24年度漁期の概況 (2013.08.29更新)
平成24年度(2012年)漁期の生産状態は全体に良好で、江蘇省海苔協会主催の入札会(1〜6回)に出品された枚数は、約46億6,847万枚で昨年度の26億9,715万枚を約58%上回っている。
この結果、24年度漁期の総生産枚数は50億枚を上回っていると見られている。中国海苔養殖漁業本格化以来最高の生産枚数に達したようだ。
しかし、前年度の生産状態が不作であったため、味付けメーカー、業務用納入業者ともに積極的な買付が進み、全体に高値相場でスタートしている。
中国海苔養殖漁業の生産枚数としては最高の生産量にも拘らず、昨年の不作相場とあまり変わらない入札価格になっているが、国内需要の伸びと同時に海外輸出が増えているようだ。こうした背景が海苔入札価格の高め安定を生んだものと見られている。
国内生産地としては、連雲港、南通、塩城などが主要産地になっているが、大まかに見た場合、製品内容は連雲港の産地が加工製品向きとされ、南通、塩城が業務用向きの生産地と言われている。こんごの中国海苔生産については、塩城地区沿岸が臨海工業地帯としての開発が進むと見られており、今後、生産枚数は減少するのではないかと見られている。
◎中国海苔生産枚数の推移 (単位:万枚)
2013.08.29更新
年 度 |
枚 数 |
年 度 |
枚 数 |
1991〜1992 |
3億2,000 |
2003〜2004 |
18億0,000 |
1992〜1993 |
5億5,000 |
2004〜2005 |
7億1,269 |
1993〜1994 |
3億0,000 |
2005〜2006 |
16億3,939 |
1994〜1995 |
4億4,000 |
2006〜2007 |
27億9,372 |
1995〜1996 |
3億8,000 |
2007〜2008 |
34億5,353 |
1997〜1998 |
4億6,228 |
2008〜2009 |
32億9,915 |
1998〜1999 |
10億4,201 |
2009〜2010 |
33億7,433 |
1999〜2000 |
10億6,887 |
2010〜2011 |
33億7,433 |
2000〜2001 |
9億5,181 |
2011〜2012 |
26億9,715 |
2001〜2002 |
15億7,216 |
2012〜2013 |
46億6,847 |
2002〜2003 |
21億1,843 |
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(備考)
2004〜2005年度以降の枚数は、「江蘇省紫菜協会」の年度入札会の出品総枚数を掲載することにしました。江蘇省は国内産地の約90%以上を占め、入札会出品枚数は江蘇省の生産数量の約90%に達しています。
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平成23年度漁期の概況 (2013.08.29更新)
中国・江蘇省海苔協会における平成23年度漁期の入札会結果は、次の通り。◇出品枚数・26億9,725万枚(前年度実績・33億7,433万枚)。◇成約枚数・20億7,006万枚(同・26億2,077万枚)となり前年に比べ21%の減少。◇平均単価(100枚当り)・36.70元(同・25.59元)で前年に比べ43%アップした。今漁期の中国も、日本や韓国同様、高水温、病害等により漁期当初から生産が芳しくなく、特にシーズンを通して如東、啓東、海安など南通地区の病害による減産が大きかった。その結果、業務用に向く製品は、入札当初から漁期最終まで確りした相場で推移し、平均単価は入札会を追うごとに前年同回に比べ高くなる傾向が見られた。生産量が増え始めた
漁期中盤から終盤にかけては、回が進むごとに青やひどい小穴の開いたようなものも出品され、不成立も出ていたが、使える製品については特に、中間から下もの価格が高く推移した。
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2010〜2012年度江蘇省海苔協会 回数別取引一覧 |
今漁期は、上記の成約枚数や場外取引、大手加工場の未出品分などを加えると、全体で25〜26億枚前後の生産量だったと推測されている。また、その内、下もの価格が強く、例年では加工されない様な製品も2億枚前後はあったものと見られている。結果、国内相場が高騰し、不足する製品については、韓国に買付に行く中国業者が見られた。他方、日本では韓国製品について前年以上の早いペースで輸入申請が行われるなど、今漁期、日・中・韓で同時に起こった減産が、生産国同士の格差を縮め、海苔流通における国際間の流動性を高めることになった。中国や韓国国内においても日本同様、生産者の高齢化が見られ、海況の問題に関わらず、各国とも今後の生産量の減少傾向が大いに懸念される。歯止めがかからずこの状態が続けば、これからますます日・中・韓による海苔流通、取引が活発化いくものと推察される。
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平成22年度中国海苔の概況(2012.04.16更新)
中国・江蘇省海苔協会の平成22年度入札会の結果は、出品枚数・33億7,433万枚(前年度実績・32億9,915万枚)。成約枚数・25億5,460万枚(同・27億6,301万枚)。落札金額・657,310,422元(同・640,530,360元)。平均単価(100枚当り)・25.73元(同・23.18元)となった。今期の第1回入札会は、前年より5日ほど早い1月15日から始まったにも関わらず出品数量は前年より約63%増加し、特に連雲港地区は第1回総出品全体の57%(前年は47%)を占めるなど生産は好調な滑り出しを見せた。初入札価格については業務用向きの中間から上のものが前年同期並みで落札された。また、今期入札会の第2回目以降、最低応札価格が20元(100枚当り)から22元へ高めに変更された。その後、第3回では連雲港、カンユが22元から19元に変更。その他取引所は前回同様。第4回では、海安、塩城が22元のまま。その他の取引所では、品質基準により如東、啓東は、22元と17元。連雲港は19元と15元。カンユは19元と16元という最低応札価格の設定をした。
このように入札会場ごとに変更が行われたことで、前年に比べ入札回や産地によっては、成約率の低下も見られ、最終的に出品枚数は前年より多かったが、成立枚数が減少している。一方で最低価格が上がったことで平均単価の上昇にもつながっている。
そのような中、第5回の最終入札会では特に、下ものが高くなり、第4回で20元前後だったものが2〜3元高で推移した。また、第4回以降は場外取引が増え、第5回最終入札会で出品された程度(3億枚)の数量取引があったのではないかと推察されるなど直接取引も活発化している。今後も中国では国内
需要を始め、対海外需要も堅調に推移していくことが予想されている。一方、日本では海苔生産量が減少傾向を示す中、日本の国内需要を賄うため韓国海苔を使う頻度が増す傾向にある。国内需要を維持したまま、これから更に国内生産量が減少することになれば、その頻度も上がることになる。海苔生産国である日本、韓国、そして中国3ヶ国の生産動向が日本の海苔業界にとって軽視できないものになりつつある。
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平成21年度中国海苔の概況 (2010.7.21更新)
◎気象海況悪く、早めの生産打ち切り
気温の上昇が進み、最高海水温度が14℃以上にまで達した。
また、日照が長いため、原藻の老化を早めた。
中国・江蘇省紫採協会主催の入札会は2009年1月10日から5月12日まで、6地区入札会場で6回に亘って行われた。当初予定していた5月開催の第6回入札会は、質の低下が大きくなり、「江蘇省のり」の評価を落とさないために生産を終わるように指導して中止することになった。このため、北部海域及び南部海域の内沙漁場は4月20日前後に網を撤収し終漁した。入札管理委員会が検討の結果、第6回入札会は、第5回入札会に間に合わなかった産地の如東、海安の2地区に限って行うことにした。
同時に、一次加工企業に対し、老化した質の悪い原藻での加工をしないよう提言した。
この結果、今漁期の同協会主催の海苔入札の出品枚数は次の通りになった。
◇第1回=出品枚数・1億8,025万枚。成約枚数・1億4,319万枚。高値・37.50元。
安値・5.00元。平均値・27.40元。
◇第2回=出品枚数・4億9,317万枚。成約枚数・4億3,816万枚。高値・38.50元。
安値・7.00元。平均値・26.14元。
◇第3回=出品枚数・7億8,084万枚。成約枚数・6億9,948万枚。高値・33.00元。
安値・10.00元。平均値・23.98元。
◇第4回=出品枚数・8億6,482万枚。成約枚数・7億7,747万枚。高値・29.00元。
安値・7.00元。平均値・20.56元。
◇第5回=出品枚数・10億6,152万枚。成約枚数・9億3,536万枚。高値・23.90元。
安値・5.00元。平均値・17.00元。
◇第6回=出品枚数・7,293万枚。成約枚数・5,499万枚。高値・18.60元。
安値・3.00元。平均値・13.51元。
◇合 計=出品枚数・34億5,353万枚。成約枚数・30億4,865万枚。高値・38.50元。
安値・3.00元。平均値・21.39元。
入札会の出品総枚数は、34億5,353万枚(前年同期・23億8,606万枚)で成約総枚数が30億4,865万枚(同・18億0,262万枚)と約88.28%(75.54%)であった。販売総金額は6億4,776万元(5億3,406万元)である。前年度に比べて、出品枚数は44.7%増、落札金額は21.3%増となった。中国の今漁期生産枚数は、入札会に出品されなかったものもかなり多いといわれるが、35億枚以上になっているようだ。
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◎国内需要に生産間に合わず (2007.7.10更新記事)
中国の生産枚数も徐々に増えている。と同時に、国内需要も増えている。
中国国内では、日本風の味付のり、海苔スープ、スナック菓子に粉末にして入れた食品などかなり多岐にわたった商品が販売されている。もちろん、コンビニの海苔巻きおにぎりの販売も増えている。
このような海苔の需要は沿岸部の都市部に限られているが、まだ多くの需要が見込まれている。
2003年に「江蘇省紫菜協会」を設立し、2004年から連雲港、如東、海安の3地区で近隣産地の海苔を集荷して、独自に入札会を開いたが、次第に入札会に参加する海苔生産地が増えて、2007年には、連雲港、カンユ、塩城、海安、如東、啓東の6ケ所で開かれている。毎年1月から始まるが、5月中旬まで6回の入札会が開かれる。地元や近隣の海苔買付商社の他、日本、台湾から商社が参加するようになっている。
また、海苔生産地は、徐々に増えているが、干潮になると、河岸から沖合い数十キロメートルに亘って干上がってしまうため、干満のタイミングを見計らって生産することになり、生産効率に課題が多いようだ。
最近は、生産者も増えており、海苔養殖漁場が次第に沖合いに広がり、海苔を摘む専従者が沖合いに船を浮かべて寝泊りしながら海苔摘みに力を入れる場面も見られるようだ。
国内需要の増加は旺盛で、平成18年現在で約12〜13億枚相当と見られている。また、華僑のルートで世界中に海苔輸出も行っており、世界30ヶ国に約15億枚相当の輸出を行っている。
中国国内の海苔相場は次第に上昇しており、平成17年から始まった輸入割当も、初年度は割り当て枚数を輸出完了したが、平成18年度は、乾海苔1億5,000万枚の割当枚数に対して、売買成立したのは9,061万枚で、割当量の67%程度に終わった。しかし、実際に輸入されたのは、3分の1に満たないと見られている。
そして、平成19年度は、乾海苔1億6,000万枚の割り当て枚数が決定したが、中国側から「対日輸出海苔の入札会は中止したい」と一方的な連絡があって、行われていない。
中国国内生産数量を現地の入札会に出品された数量から推定すると、出品総枚数・27億9,372万枚。落札枚数・24億2,505万枚に達しており、入札の集荷比率を80%と見ても、30億枚以上の生産枚数に達したと見られている。
対日輸出を中止する要因の一つとして、中国産品の安心・安全基準に日本で大きな不安が見られることも挙げられているようだ。
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(2005.更新記事)
中国の海苔生産はかなり古いが、「紫菜」(しさい)として、日本に入って来たのは唐隋の時代といわれるが、天然採取から栽培されるようになったのがいつ頃であるのか分からない。
しかし、中国では吸い物や麺類の食材として、壇紫菜が生産されている。これは、岩海苔の一種である。スサビノリの生産は近年のことであり、日本から養殖技術を導入して生産されたものである。
スサビノリで日本風に生産されているのは、中国の海苔産地は、山東省、江蘇省、浙江省で黄海に面した沿岸である。中でも、主な産地としては、日照市(山東省)、連雲港市、南通市、塩城市(いずれも江蘇省)などが挙げられる。各産地の生産規模を見ると、◇日照市・3,400畝(ムー)(2,264,400u・1ムーは666u)。◇連雲港市・23,000畝(15,318,000u)。◇塩城市・8,000畝(5,328,000u)。◇南通市・78,100畝(52,014,600u)で、主要産地の養殖漁場全体で、112,500畝(74,925,000u)に達する。この漁場に1ムー当たり5尺10間の海苔網約5枚分の網を張り込んでいるから、全体で562,500枚の網数になる。
海苔養殖漁業公司は、日照市・6社、連雲港市・39社、塩城市・10社、南通市・131社で主要産地全体では186社になる。全自動海苔製造機械は2003年12月現在で292台に上っており、日本から4社の機械241台が輸出され、6連から20連の最新型まである。その他は、韓国製・2台、中国製・49台である。このうち、40社は焼き海苔、味付け海苔の2次加工まで行っており、加工機械も61台が導入されている。
中国の生産状態は、1月から2月にかけては、水温が低く生産に結びつかない時期があり、生産効率はあまり良くない。しかし、生産枚数は別表のように、1998〜1999年から急速に伸びている。この頃から、日本ばかりでなく、台湾、韓国などの出資による、合弁企業が急速に増えた結果と見られている。しかし、2003年〜2004年にかけては、生産初期に雨量不足や高水温のため病害が発生したため、生産状況は良くなかったようだ。
◎中国海苔生産枚数の推移 (単位:万枚)
2005.9.9更新
年 度
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枚 数
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年 度
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枚 数
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1991〜1992
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3億2,000
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1999〜2000
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10億6,887
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1992〜1993
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5億5,000
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2000〜2001
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9億5,181
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1993〜1994
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3億0,000
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2001〜2002
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15億7,216
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1994〜1995
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4億4,000
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2002〜2003
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21億1,843
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1995〜1996
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3億8,000
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2003〜2004
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18億0,000
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1997〜1998
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4億6,228
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2004〜2005
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9億0,000
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1998〜1999
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10億4,201
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江蘇省を中心にした産地は、国内海苔生産量(日本式の海苔を条斑海苔という)の95%を占めるようになり、生産規模の拡大につれて地域の産業として注目されると同時に将来の発展を目指すための組織作りが重要視され、国として産業育成の施策を考えるようになっている。
1996年秋から、連雲港の雅瑪珂紫菜有限公司国際海苔入札所で、中国では始めての自由経済方式の海苔入札会が始まり地元海苔公司も参加するようになった。その結果、輸出も増え、国際商品として注目されるようになり、2002年秋には、輸出産業の施策に組み入れる商品として、製造と製品の衛生、製品向上を厳しくするように国の通達が出されている。
こうした国の方針が産地にも浸透し始めており、その方針をより確実に伝える組織として、2003年2月、「江蘇省海苔協会」を設立した。連雲港、南通両市の海苔養殖企業(有限公司)や食品企業、輸出企業、水産機械企業、研究機関など70数社が参集した組織で、中国でも民間企業が独自の自主的な組織を作ったのは珍しいといわれている。この組織は、それぞれの生産地に「海苔協会」の組織をつくり、江蘇省全体の海苔協会の上部組織として「江蘇省海苔協会」が設立された。この組織の名誉理事長には省の漁業局長などが就任し、理事長に省海洋水産研究所所長が就任した。日本企業からも2社が顧問として名を連ねている。この団体加盟海苔養殖企業の生産量は中国の約70%を占めるといわれている。
この協会では、「江蘇省海苔市場交易規則」を制定し、海苔製品の規格基準も作り連雲港、如東、海安の3地区で2004年1月から独自に入札会を開催することにした。
平成15年度は、全体に生産状態が思わしくなく、価格はかなり安かったといわれている。高値も1枚当り5円相当である。海苔質はやや赤芽であるが、焼き色の良いものが多い。あまり硬くなく、味も薄くないものが多い。焼海苔原料としては十分使えるもので、業務用としては、おにぎり、回転すしなどの上のクラスに十分使えるものが多い。
異物については、まだ十分とは言えない面もあるが、異物選別機、原藻異物除去機の導入も増え始めている。衛生管理の行き届いた製造工場も増えており、中国の生産者もかなり自信を持って海苔作りに取り組んでいる。
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